文献詳細
研究と報告
文献概要
I.緒言
体感異常(Coenesthopathie)を訴える患者の中で,その主題を持続的に毒虫あるいは寄生虫,さらには細菌に求あることがある。このような症例の精神症状のとらえ方,疾病学的位置づけ,さらに経過,予後についての記載は多岐にわたっている。われわれは,たまたま「皮膚寄生虫妄想」(Dermatozoenwahn),あるいは「毒虫妄想」(Ungezieferwahn)と呼んでさしつかえない症状がみられ,そしてその体験をのぞいては言動に著変のみられない症例に接したので,以下症例を描写し,2,3の考察を進めることとする。
体感異常(Coenesthopathie)を訴える患者の中で,その主題を持続的に毒虫あるいは寄生虫,さらには細菌に求あることがある。このような症例の精神症状のとらえ方,疾病学的位置づけ,さらに経過,予後についての記載は多岐にわたっている。われわれは,たまたま「皮膚寄生虫妄想」(Dermatozoenwahn),あるいは「毒虫妄想」(Ungezieferwahn)と呼んでさしつかえない症状がみられ,そしてその体験をのぞいては言動に著変のみられない症例に接したので,以下症例を描写し,2,3の考察を進めることとする。
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