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研究と報告
神経性腹部緊満症の1例—その精神療法過程について
著者: 成田善弘1
所属機関: 1名古屋大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.251 - P.256
文献購入ページに移動I.緒言
腹部緊満を示す疾患のうち,器質的原疾患がきわめて軽微であるにもかかわらず著明な腹部の膨隆と腹壁の緊張をきたし,しかもその症状が患者の心理的要因により変動しやすい症例を,亀田5)は神経性腹部緊満症と名づけている。著者は,7年間以上にわたって,持続的な高度の腹部緊満を示した,亀田のいう神経性腹部緊満症の典型例と思われる1症例に対して,精神療法的接近を試みたのでこれを報告し,若干の問題点を述べて,この病態の理解にささやかな一寄与をなしたい。
腹部緊満を示す疾患のうち,器質的原疾患がきわめて軽微であるにもかかわらず著明な腹部の膨隆と腹壁の緊張をきたし,しかもその症状が患者の心理的要因により変動しやすい症例を,亀田5)は神経性腹部緊満症と名づけている。著者は,7年間以上にわたって,持続的な高度の腹部緊満を示した,亀田のいう神経性腹部緊満症の典型例と思われる1症例に対して,精神療法的接近を試みたのでこれを報告し,若干の問題点を述べて,この病態の理解にささやかな一寄与をなしたい。
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