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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻3号

1973年03月発行

資料

東京女子医大神経精神科における患者の推移統計(昭和25〜45年,1950〜1970)—第1部 外来初診患者の推移統計

著者: 末田田鶴子1 高津明實1 上條節子1 山下恵子1

所属機関: 1東京女子医科大学神経精神科

ページ範囲:P.285 - P.295

文献概要

I.緒言
 統計的研究は,それが明瞭,確実な資料にもとづいて,一定の基準に下に行なわれたものであれば,いずれの学問においても重要なことで,とくに臨床医学にあっては,日々の診療経験の集積を改めて一望の下に振り返ることが必要である。私ども精神医学の領域でも事情はまったく同じであるが,不幸にして私どもの領域では,これまでのところ真の統計的研究がきわめて少ない。しかもある限られた短期間内のある特定疾患について行なわれたものが多く,長期間にわたって神経精神科領域の全疾患を取り上げたものは見当らない。今回私どもは昭和25年千谷教授就任以来昭和45年末に至る期間の外来初診および入院の患者について統計的観察を行なった。この観察は21年の長期にわたり,しかも多数症例を対象とした点,年次の推移に伴いつつ診断基準の変遷を見たが,その時ごとにはほぼ同じ基準の下に行なわれたものであることなどから,私どもの精神医学の推移を如実に物語る貴重な資料の提出と信じるし,いわゆるEinheitspsychoseに迫る重要な示唆となるであろう。今回はその第1部として外来初診患者についての調査結果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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