文献詳細
特集 痴呆の臨床と鑑別
中毒性脳障害における痴呆—一酸化炭素中毒・有機水銀中毒・二硫化炭素中毒・サイクロセリン中毒について
著者: 原田正純12
所属機関: 1熊本大学医学部精神神経科 2熊本大学体質医学研究所気質学
ページ範囲:P.408 - P.412
文献概要
熊本大学精神神経科では10年来,さまざまな中毒性脳障害患者の診療を行なう機会に恵まれた。これらの症例はいずれもきわめて貴重であって,その度ごとにすでに報告されてきた1〜16)。今回,これらの中毒性脳障害患者の痴呆について検討してみたい。対象となった中毒性脳障害は先天性水俣病を除いた水俣病(有機水銀中毒)45例5,9),一酸化炭素中毒(CO中毒)5年目の102例12),慢性二硫化炭素中毒(CS2中毒)15例14),サイクロセリン中毒(Cs中毒)76例中慢性経過をとった26例15)である。
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