文献詳細
文献概要
特集 痴呆の臨床と鑑別
Parkinsonismusと痴呆
著者: 飯塚礼二1 森洋二1
所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.413 - P.418
文献購入ページに移動I.はじめに
J.Parkinson(1817)がはじめて“Shaking Palsy”について記載したとき,この疾患が痴呆化を伴うものではない――the senses and intellectsbeing uninjured――ことを記している。爾来Paralysis agitans,あるいは広くParkinsonismusについて,神経学的知見と各種の治療法が錐体外路系機能の解明にともなって長足の進歩を遂げたのに対して,精神症状についての業績は少なく,またその記述内容もまちまちである。たとえばSiegfried(1968)14),Selby13)(1968)などの記述のうちでも,ごくわずかの頁を精神症状の項目に割いているにすぎない。この小論ではParkinsonismusと痴呆の問題について私なりに最近感じていることを中心に述べてみることとした。
J.Parkinson(1817)がはじめて“Shaking Palsy”について記載したとき,この疾患が痴呆化を伴うものではない――the senses and intellectsbeing uninjured――ことを記している。爾来Paralysis agitans,あるいは広くParkinsonismusについて,神経学的知見と各種の治療法が錐体外路系機能の解明にともなって長足の進歩を遂げたのに対して,精神症状についての業績は少なく,またその記述内容もまちまちである。たとえばSiegfried(1968)14),Selby13)(1968)などの記述のうちでも,ごくわずかの頁を精神症状の項目に割いているにすぎない。この小論ではParkinsonismusと痴呆の問題について私なりに最近感じていることを中心に述べてみることとした。
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