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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻4号

1973年04月発行

特集 痴呆の臨床と鑑別

"Demenz"(痴呆)はいかに使われたか

著者: 伊東昇太1

所属機関: 1昭和大学医学部神経科教室

ページ範囲:P.429 - P.435

文献概要

I.序論
 Demenz(痴呆)は,周知のごとくラテン語のdemensにもとづき,しかもdemensと結びついたのであって,分裂,解離した心の意味であり,さらに「戸惑い」,「当惑」,「錯乱」さらに「痴呆」とおきかえられている。そしてわれわれが今日外来で,また病棟でこの言葉を使用するとき,該当患者はまったく可能性のない非生産的な人間となって,治療は無益であり,人柄は枯渇,廃屋を思わせ,発展性は完全に否定され,すなわち可能性全体が極度に限定されているといった約束用語になって利用されている。しかし医史学的に検討してみると,術語の使用に変化がみられ,以下数少ないDemenzの臨床的研究を展望してみることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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