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東京女子医大神経精神科における患者の推移統計(昭和25〜45,1950〜1970)—第2部 入院患者全体についての概観
著者: 末田田鶴子1 田村敦子1 稲川鶴子1 浅野欣也1 寺坂小夜子1 田中朱美1 伊藤みさ1 大木卓朗1 下浜紀子1 中村泰子1 石川陽子1
所属機関: 1東京女子医科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.443 - P.458
文献購入ページに移動私どもは先に第1部として外来初診患者について21年間の推移統計を発表したが1),今回はそれに続いて同期間の入院患者についての統計調査を試みた。一口に21年といつても第2次世界大戦の敗戦の混乱からようやく立ち直りかけた昭和25年から始まり,覚醒剤中毒の多発,精神衛生法の制定,全国的な精神科病床の増加,向精神薬の導入,さらに最近の精神障害者の保安処分の問題に至るまで,ちょっと想起しただけでも精神医学界,精神医療における変化は著しいものがある。この間都内の一隅のバラック建の病棟から出発した当神経精神科教室の1/5世紀にわたる研究,診療の足跡をふりかえってみることも意義あることと考える。入院患者の統計は外来患者のそれより細部にわたることになるので,今回は入院患者全体についての概観をみるにとどめた。そして入院患者の大多数を占め,かつ精神医学的に最も問題が多く,かつ意義も深い内因性精神疾患についての詳細な調査,考察は特別に取り上げて第3部にまとめることにした。
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