文献詳細
研究と報告
向精神薬による非可逆性錐体外路症状の1例—発症の経過と成因の考察
著者: 八木剛平1 伊藤斉2
所属機関: 1皆川病院 2慶応義塾大学医学部精神神経科教室
ページ範囲:P.727 - P.734
文献概要
(2)本症例ではhaloperidolとtrihexyphenidylの投与中に出没していたakathisiaが(第1期),両者の同時中絶後にいわゆるrestless legsを伴って一種の禁断症状のごとく持続的に出現し(第2期),いちじるしい起立性低血圧などの多彩な身体症状を伴って増強し(第3期),その消褪とともに下肢,躯幹,口の不随意運動が出現し(第4期),neurolepticaの再投与によって軽減するが休薬すると増強するという経過をとりながら(第5期),非可逆性錐体外路症状の病像が次第に固定する(第6期)にいたった。非可逆性の病像は第4期においてakathisiaから移行したものとみなされた。
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