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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻7号

1973年07月発行

文献概要

研究と報告

二重盲検法による新穏和精神安定薬Bromazepam(Ro 5-3350)の神経症に対する薬効検定

著者: 大熊輝雄1 小椋力1 中尾武久1 岸本朗1 今井司郎1 中沢和嘉1 織田法子1 角南譲2 馬嶋一暁3

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2松江市立病院精神科 3国立療養所鳥取病院

ページ範囲:P.753 - P.769

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I.はじめに
 近年,向精神薬研究の進歩はめざましく,なかでもbenzodiazepine誘導体は,静穏,抗不安,催眠作用などのすぐれた特徴を有するほか,副作用の出現が比較的少ないため,それぞれの特徴に応じ,各種神経症だけでなく,広く内因性精神病などの治療にも併用的に使用されている。
 ところで,bromazepam(Ro 5-3350)は,1968年F. Hoffmann-La Roche社により開発された新benzodiazepine誘導体で,化学名を7-Bromo-5-(pyridyl)3H-1,4-benzodiazepine-2(1H)-Oneと称し,従来用いられているbenzodiazepine系のchlordiazepoxide,diazepamとは塩素原子(Cl)にかわり臭素原子(Br)を有する点(図1)で異なっている。動物実験の結果では,bromazepamは静穏,抗斗争,筋弛緩,抗けいれん作用を示し,それらの作用はchlordiazepoxide,diazepamより強力で,とくに筋弛緩,抗けいれん作用(Randallら,1968),条件回避反応抑制作用(君島ら,1972)が著しいと報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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