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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻7号

1973年07月発行

文献概要

紹介

再発性内因性情動障害のリチウム予防療法

著者: 長谷川和夫2

所属機関: 1デンマークAarhus大学精神科 2聖マリアンナ医科大学精神科

ページ範囲:P.787 - P.796

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I.臨床的記録
 リチウムは,John Cade1)が精神病学に導入して以来,約15年間,ほとんど躁病の治療に限って使用された。抗躁病薬としてのその効果と特異性は,多くの治療的試みで記録された3,4)。リチウムが内因性うつ病の若干例において,かなりの治療効果があることを示す研究もあるが,リチウムのこの作用は,抗躁病作用ほどには確立されていない。
 リチウムが内因性感情障害の再発に対して重要な予防作用を果たすという証明が,過去10年間,絶えず集積されて増大した。躁うつ病(双極型)や,うつ病だけ(単極型)の発作がしばしば起こる患者の継続治療にリチウムを用いると,再発の頻度やつよさが,大部分の例において,いちじるしく減退する。しばしば再発が完全になくなることがある。図1は,この主張の最初の基礎となった証拠を示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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