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失神発作一般についての病因が未だ明らかにされていない情況で,特殊な失神についての研究は失神の本態を明らかにするために有意義である。排尿失神とは,立位での夜間の排尿に伴う失神のことをいう。文献考察からはこの症候群の病因についての見解の様々であることが明らかになった。排尿失神患者はしばしばてんかんと診断されることがあるので両者の鑑別が必要である。それには発作時のEEGを記録するのも一法である。上記の理由から,EEGおよびEKG記録中に自発的な排尿失神を惹き起こしたある飛行機パイロットの症例について報告する。
症例は37歳のパイロット。夜間排尿に関連した失神発作のために精査をうけた。発作は28歳初発,一時消褪していたが36歳より頻発。常に夜間尿意に醒めてから立位で排尿したときばかり起こる。前夜ビールを飲むと多い。排尿の終りまたは終了まもなく下肢の脱力,めまいが起こり意識を失う。既往歴としてリンパ球性髄膜炎,脳震盪あり。入院後の理学的諸検査異常なし。血圧130/80mmHg(臥位)および115/75mmHg(立位),脈拍60/min。
症例は37歳のパイロット。夜間排尿に関連した失神発作のために精査をうけた。発作は28歳初発,一時消褪していたが36歳より頻発。常に夜間尿意に醒めてから立位で排尿したときばかり起こる。前夜ビールを飲むと多い。排尿の終りまたは終了まもなく下肢の脱力,めまいが起こり意識を失う。既往歴としてリンパ球性髄膜炎,脳震盪あり。入院後の理学的諸検査異常なし。血圧130/80mmHg(臥位)および115/75mmHg(立位),脈拍60/min。
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