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文献概要
研究と報告
Cornelia de Lange症候群と自傷行為
著者: 末光茂12
所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室 2旭川児童院
ページ範囲:P.887 - P.891
文献購入ページに移動I.はじめに
わが国の精神薄弱児に対する近代的な福祉・治療教育は,戦後の児童福祉法,精神薄弱者福祉法などの制定に伴い,急速な発展をみた。中軽度児のそれにとどまらず,重度精神薄弱児や重症心身障害児にまで及んできたのは,喜ばしいことである。だが重度精神薄弱児や重症心身障害児には,運動障害,言語障害,感覚障害,精神障害などの重複障害が多く1〜3),それらが発達を複雑にし,病像の把握を困難にしている。
とくに精神薄弱児の示す異常行動については,各種の要因の関与が予想され,診断は容易でない。そのため,その療育体系はいまだに不備であり,今後の課題となっている。そのようななかでLesch-Nyhan症候群のごとく,プリン代謝障害と自己咬傷との間に深い関連性を示す例もあり,基礎疾患・症候群別の詳細な研究が望まれている。
わが国の精神薄弱児に対する近代的な福祉・治療教育は,戦後の児童福祉法,精神薄弱者福祉法などの制定に伴い,急速な発展をみた。中軽度児のそれにとどまらず,重度精神薄弱児や重症心身障害児にまで及んできたのは,喜ばしいことである。だが重度精神薄弱児や重症心身障害児には,運動障害,言語障害,感覚障害,精神障害などの重複障害が多く1〜3),それらが発達を複雑にし,病像の把握を困難にしている。
とくに精神薄弱児の示す異常行動については,各種の要因の関与が予想され,診断は容易でない。そのため,その療育体系はいまだに不備であり,今後の課題となっている。そのようななかでLesch-Nyhan症候群のごとく,プリン代謝障害と自己咬傷との間に深い関連性を示す例もあり,基礎疾患・症候群別の詳細な研究が望まれている。
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