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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻8号

1973年08月発行

文献概要

研究と報告

新しいBenzodiazepine誘導体Nimetazepamの睡眠に及ぼす影響

著者: 山本順治1

所属機関: 1大阪大学医学部精神神経学教室

ページ範囲:P.893 - P.897

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 新しいbenzodiazepine誘導体nimetazepamのヒトに対する催眠効果ならびに睡眠周期におよぼす影響を検討するため,健康被験者と不眠症の被験者を対象に終夜ポリグラフ的観察を行なって次の結果を得た。
 1)健康被験者については,入眠潜時の短縮,賦活睡眠期の減少,丘波期の減少,紡錘波期の増加が認められ,中止後各睡眠段階はほぼ投与前の水準に戻るが,賦活睡眠の反跳現象は認められなかった。
 2)不眠症の被験者については,投与開始後睡眠時間が著しく延長し,投与3日目には,この患者から得た40時間断眠直後の記録に匹敵する睡眠パターンが得られた。各睡眠段階の変動の方向は健康被験者の場合と同様であった。
 従来のbenzodiazepine誘導体についての報告と比較検討し,nimetazepamはすぐれた催眠鎮静剤であると結論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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