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研究と報告
意識障害(心因性)を呈したてんかん患者の脳波学的考察—1症例を中心に
著者: 赤埴豊1 奥田治1
所属機関: 1大阪市立桃山市民病院神経科
ページ範囲:P.981 - P.988
文献購入ページに移動 大発作・小発作・精神発作・自律神経発作を持ち,脳波上,発作性棘徐波結合の頻発する難治性てんかん患者(30歳,未婚女性)に,抗けいれん剤および心因性意識障害により生じた二様のforcierte Normalisierungの現象が観察された。そのさいの精神症状と脳波所見は,
(1)薬剤投与中のforcierte Normalisierung
精神症状:自律神経発作,精神発作の頻発と精神症状の悪化。
脳波所見:slow α,θ波の出現など基礎波型の緩徐化と発作波の抑制傾向。
(2)心因性意識障害時のforcierte Normalsierung
精神症状:(1)の期間に約7時間45分におよぶ心因性意識障害の出現。
脳波所見;基礎波型に10cpsのα波と低振幅速波の出現,徐波の消失,発作波の抑制。
以上の結果に基づき,発作,精神症状および脳波所見との間の密接な関連性について若干の考察を加えた。また治療抵抗を示すてんかん患者については薬物療法のみでは限界があり,精神療法的治療が必要であることを述べた。
(1)薬剤投与中のforcierte Normalisierung
精神症状:自律神経発作,精神発作の頻発と精神症状の悪化。
脳波所見:slow α,θ波の出現など基礎波型の緩徐化と発作波の抑制傾向。
(2)心因性意識障害時のforcierte Normalsierung
精神症状:(1)の期間に約7時間45分におよぶ心因性意識障害の出現。
脳波所見;基礎波型に10cpsのα波と低振幅速波の出現,徐波の消失,発作波の抑制。
以上の結果に基づき,発作,精神症状および脳波所見との間の密接な関連性について若干の考察を加えた。また治療抵抗を示すてんかん患者については薬物療法のみでは限界があり,精神療法的治療が必要であることを述べた。
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