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研究と報告
抗精神病薬療法における抗パーキンソン剤併用の再検討
著者: 松下昌雄1 風祭元1 高塩洋2 新井進2
所属機関: 1帝京大学医学部精神医学教室 2小山富士見台病院
ページ範囲:P.55 - P.62
文献購入ページに移動(1)36名中11例(30.6%)に錐体外路症状の臨床的な悪化が認められ,この他の6例(16.7%)に,錐体外路症状評価尺度の上でのみの評点の悪化が認められたが,残りの19例(52.8%)には錐体外路症状の明らかな変化はみられなかった。
(2)抗パ剤中止により悪化した錐体外路症状は,手指の振せん,筋強剛,表情の硬さ,姿勢・歩行の異常などが多かった。
(3)抗パ剤中止により錐体外路症状の悪化した症例と,悪化しなかった症例との間には,年齢,罹病期間,抗精神病薬による治療期間,抗パ剤の使用量などの点では明らかな差を認めることができなかったが,悪化は抗精神病薬が多量に投与されていた症例に多い傾向がみられた。
(4)以上の所見から,抗精神病薬の投与の際に,錐体外路症状の出現の予防のために全例に対して抗パーキンソン剤を長時間にわたり併用することは,再検討を要するものと考えられる。
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