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文献詳細

雑誌文献

精神医学16巻11号

1974年11月発行

シンポジウム 現代における精神医学研究の課題—東京都精神医学総合研究所開設記念シンポジウムから

ライフ・サイエンスをめぐって

著者: 塚田裕三1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部生理学

ページ範囲:P.940 - P.943

文献概要

 きょうは,都立精神医学研究所の開所記念ということでご招待をうけ何かお話しをせよということですが,わたくしは,大脳生理学,あるいは神経化学といった領域の専攻であり精神医学の実践的な面では知識もありませんし,経験も持たないのであります。ただ精神医学というものも,"脳"にかかわりあいのある学問で,わたくしも大脳生理学,あるいは大脳生化学の領域で脳にかかわりあいをもつ研究をしているものとして,自分なりの立場で基礎的な問題を中心にして一言申し上げてみようと思います。今臨床にたずさわっておられる先生方から非常に深刻なお話がございましたけれども,わたくしどもと致しましてもそれが医学研究であるからにはそれなりの問題をかかえております。
 最近よく"ライフ・サイエンス"という言葉が聞かれるようになってきましたが,いったいライフ・サイエンスというのはなにか,ということになりますと人によって定義は必ずしも一致しているわけではありません。たとえばいまさらライフ・サイエンス(生命科学)という言葉をもちださなくても,いままででも生物学とか医学とか,あるいは生物科学などの言葉があって,いったいそれとどこが違うのかというような議論もあります。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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