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文献詳細

雑誌文献

精神医学16巻11号

1974年11月発行

研究と報告

老人の痴呆診査スケールの一検討

著者: 長谷川和夫1 井上勝也1 守屋国光2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学精神科学教室 2都立老人総合研究所

ページ範囲:P.965 - P.969

文献概要

Ⅰ.まえがき
 老人の知的機能を論ずるさいに,必ず問題となるのが,生理的老化に並行したいわば"正常な"精神老化と,なんらかの病的促進因子によると考えられる"病的"痴呆との区別の問題である6,8,10,11)。もし両者の異同を区別しないと,「老年期には,知的機能は急速に衰退する」といった性急な結論に導かれることになる。
 しかし,実際には老人にも「若い者に負けない」ほどの知的能力を示す者も数多く,また知的老化の気配さえみせぬ老人にもよく出遇うものである。さらに,最近の新福らの研究結果によれば9),必ずしも加齢とともに知的衰退がみられるわけではなく,少なくとも65歳から80歳までの老人には,なんらの有意差も認められず,知的機能は,むしろ「平板化(plateau)する」という。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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