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研究と報告
分裂病様症状を呈したPheochromocytomaの1例
著者: 中村清史1
所属機関: 1第二駿府病院
ページ範囲:P.979 - P.983
文献購入ページに移動 分裂病様状態を示したpheochromocytomaの1例を報告した。本例は幻覚・妄想,情意障害などの分裂病様精神症状を認め分裂病として加療されたが,間歇性に高血圧,著明な振戦および発汗,その他の身体症状を認め,同時に不安・焦燥状態,緘黙・寡動,昏迷状態を示し精査の結果pheochromocytomaが確認された。詳細に検討した結果,入院経過中pheochromocytomaに相応する愁訴,身体症状を頻繁に認め,しかもそれと平行して精神病像も動くこと,病像自体にも精神分裂病とは異なった特徴がみられたこと,さらに症候性精神病の特徴がみられていることなどから本例はpheochromocytomaによる分裂病様状態であることが確認された。pheochromocytomaは稀有な疾患であり,それに由来する分裂病様状態は現在まで報告がみられていないことを追加した。
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