文献詳細
文献概要
展望
感情障害とリチウムイオン
著者: 渡辺昌祐1 石野博志2
所属機関: 1川崎医科大学精神神経医学教室 2岡山大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1028 - P.1052
文献購入ページに移動Ⅰ.リチウムの歴史
リチウムはギリシャ語でstoneを意味し,1817年スウェーデンの化学者Arfwedsonにより発見された。自然界では塩として,鉱物中ことにsilicalateや,海水,温泉の硬水に存在し,海産物,植物,動物,人間の体内にも微量ではあるが存在することが証明されているが,その生理的役割は不明である。
リチウムがはじめて医薬として試用されたのは1859年で,Garroldが,尿酸の結晶がリチウム溶液に溶解されやすい性質に注目して,痛風患者の尿酸の蓄積を排泄するために用いたがその治療効果はほとんど認められなかった。臭化リチウムがブロームの化合物の一つとして,抗けいれん剤,鎮静剤として使用されたころもあるが,臭化リチウムが他のブローム化合物に比較してまさるとの所見は得られず放置された。
リチウムはギリシャ語でstoneを意味し,1817年スウェーデンの化学者Arfwedsonにより発見された。自然界では塩として,鉱物中ことにsilicalateや,海水,温泉の硬水に存在し,海産物,植物,動物,人間の体内にも微量ではあるが存在することが証明されているが,その生理的役割は不明である。
リチウムがはじめて医薬として試用されたのは1859年で,Garroldが,尿酸の結晶がリチウム溶液に溶解されやすい性質に注目して,痛風患者の尿酸の蓄積を排泄するために用いたがその治療効果はほとんど認められなかった。臭化リチウムがブロームの化合物の一つとして,抗けいれん剤,鎮静剤として使用されたころもあるが,臭化リチウムが他のブローム化合物に比較してまさるとの所見は得られず放置された。
掲載誌情報