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文献詳細

雑誌文献

精神医学16巻12号

1974年12月発行

文献概要

研究と報告

うつ状態の光眼輪筋反射の観察

著者: 中野哲男1

所属機関: 1久留米大学医学部脳疾患研究所

ページ範囲:P.1073 - P.1082

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I.はじめに
 眼輪筋は物体あるいは光が突然視界に入ると,その視覚刺激に応じて反射的に収縮するが,これがすなわち視覚眼輪筋反射(visual orbicular reflex)あるいは網膜眼輪筋反射(retino-orbicular reflex)である。この反射の神経疾患診断上の重要性は末梢性顔面神経麻痺で反射の減弱がみられ,脳炎後パーキンソニスムス患者でこの反射の亢進がみられるということである27)
 稲永とその共同研究者7〜10,26,27)は,閃光刺激によって起こる眼輪筋反射を光眼輪筋反射(photopalpebral reflex,以下PPRと略す)と呼んで,小型電子計算機を用いて,ヒトのPPRについて観察を行ってきた。それによると,この反射は意識水準と密接な関連を持っており,精神安定剤の服用や酩酊状態の時にはPPRの平坦化が起こる。また,不安や緊張,精神活動などとも関連があり,飲酒時の発揚状態,痛みに対する予期不安や緊張の強い場合,精神活動の高まった場合などにはPPRの振幅が増大すると報告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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