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文献詳細

雑誌文献

精神医学16巻3号

1974年03月発行

研究と報告

無言・無動状態の症状形成と意識障害

著者: 山内俊雄1 岡田文彦1 小林義康1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.247 - P.255

文献概要

I.はじめに
 無言・無動で刺激に対し正常な反応を示さないといった特異な臨床症状を呈する状態は,古くから多くの人々の注意を引き,さまざまな呼びかたのもとに記載されており4,10,11,14,16,17,19),それらをとりまとめて総説的検討を試みた論文もいくつかある15,23,25,27)。しかし,同じ呼び名のもとに記載された臨床像でも,症例によりその症状に多少の相違のみられることが多く,そのために他の呼称で記載されたものとの間の類同性や差異を論じ,各症候群の特徴を見出だそうとする試みは,今のところあまり成功しているようには思われない。
 一方,このような臨床像を呈するさいの病巣の主座も,大脳両半球,間脳,脳幹部,前帯状回,脳梁などに大別されるが7,23,26),各障害部位により,それぞれ特徴的な臨床症状を呈するとは限らず,臨床像から障害部位を推定するまでには至っていないようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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