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Ein Überblick über Methoden und heutigen Stand der psychiatrischen Genetik
著者: 武正建一1
所属機関: 1慶大精神神経医学
ページ範囲:P.263 - P.263
文献概要
ところで,分裂病における双生児研究で一卵性双生児に高い一致率のみられるのは遺伝論の支えになっているものであるが,この一致率に関しても,①調査方法の相違,②診断基準の相違,③実際上の相違などによって異なった数値があげられる。①について古い報告の一致率が概して高いのは対象になったのが精神病院入院例であったことにもよるものであり,②に関しては,アメリカとヨーロッパのみならず各国各学派間の相違があげられる。しかしまた,双生児にみられる精神病がまったく生き写しの如く同じであるというのはむしろ夢物語りに近いことで,分裂病の素因があっても明らかに異なった表現をとり得ることを考えるべきである。といってもすべての神経症が仮面を被った分裂病というわけではないが。③については異種遺伝子性が問題になるが,これも臨床的下位群を想定するのではなく,すべての分裂病を含んでのものであろう。分裂病,躁うつ病などがそれぞれ単一の疾患から成るのではないことはかなり確かなようで,異種遺伝子性同様多遺伝子性も考えられるがこれらによってすべてを説明することはできず,一卵性双生児での不一致所見からしても少なくとも遺伝子以外の何かが1つの役割を演じているのであろう。
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