文献詳細
巻頭言
文献概要
私は近ごろ年のせいか,術語やその概念などの起源,成り立ちといったものに強く心が惹かれるようになった。これに関連した私のいくつかの経験を披露するが,それが読者の方々に多少とも役立てば幸いである。
私は30年ほど前,医学部の学生として恩師吉益脩夫教授(当時は講師)の精神病理学の講義を聴いた。講義のなかで,retrograde Amnesie(逆向健忘),anterograde Amnesie(前向健忘)とともにkongrade Amnesieというものを教えられた。これは,たとえば意識障害があった期間,に対応する健忘で,いわば最もありふれた健忘である。その後私はこの語に一向にお眼にかかったことはなかったし,それについて調べたこともなかった。ところが,昨年たまたま別のことを調べていたら,K. Schneider13)(518頁)に出ているのがわかった。そしてその後Peters12)にも載っているのがわかった。
私は30年ほど前,医学部の学生として恩師吉益脩夫教授(当時は講師)の精神病理学の講義を聴いた。講義のなかで,retrograde Amnesie(逆向健忘),anterograde Amnesie(前向健忘)とともにkongrade Amnesieというものを教えられた。これは,たとえば意識障害があった期間,に対応する健忘で,いわば最もありふれた健忘である。その後私はこの語に一向にお眼にかかったことはなかったし,それについて調べたこともなかった。ところが,昨年たまたま別のことを調べていたら,K. Schneider13)(518頁)に出ているのがわかった。そしてその後Peters12)にも載っているのがわかった。
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