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研究と報告
飲酒を問題とする入院患者の多要因分析
著者: 那須弘之1 村尾旬子1
所属機関: 1由良病院精神神経科
ページ範囲:P.463 - P.471
文献購入ページに移動最近,精神病院にアルコールによる入院患者が増加し,これら患者の医療処遇をめぐって種々の問題を生じ,その早急な解決が望まれている。
アルコールによる精神障害は,一元的,一時的なものでなく,多要因によるプロセスとしてしか把え得ないため,その調査分析は常にある程度のあいまいさを伴わざるを得ないが,われわれは単一病院で,比較的短期間に,比較的多数の患者を臨床的,統計的に調査する機会を得た。このことは,一面単一病院という偏りを持つ欠点はあるが,他面,空間的,時間的に集中された利点を有し,最近のアルコールによる入院者の実態把握と,その問題解決に寄与し得るものと考え,報告することとした。
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