文献詳細
古典紹介
Ewald Hecker:Die Hebephrenie:Ein Beitrag zur klinischen Psychiatrie
著者: 赤田豊治1
所属機関: 1東京女子医科大学神経精神科学教室
ページ範囲:P.505 - P.524
文献概要
全身麻痺の精神的徴候のうち,とくに特徴的なものとして,Westphalが,精神的衰弱(geistige Schwäche)の早期出現,そのはなはだ速やかな進行を挙げたのは間違っていない。メランコリーとかマニーという初期の段階においてすでに,迅速に進行する痴呆の色彩が混入してくる。つまり精神的崩壊は,ほとんど発病と同時に開始するのである。―この確かに顕著な徴候は,そのほかには進行麻痺とあまり共通点を持たない,もう一つの疾病形態にも現われることを,Kahlbaumはその講義の中で最初に注意したが,それは彼の立てた破瓜病(Hebephrenie)である。これは同様にさまざまの状態像を示す精神障害の一形態であって,思春期の年頃に引き続いて始まり,この時期に進行する心身発育の大きな飛躍と密接に関連するものである。
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