文献詳細
研究と報告
文献概要
I.はじめに
宗教の領域はきわめて広汎であり,宗教の本質は深淵である。したがってここで取り扱う宗教性とは,病者が神であると信じる存在と関わりを持つ時,必然的に生じる感情・行為・経験などを中心にして,そこから導き出された生存のあり方をさしているのであって,一般的な意味での宗教とは異なる個別的な宗教性にすぎない。本論では,その個別的な宗教性を精神病理学的に考察することによって,非定型精神病者の内的世界の本質分析を試みようと考えている。
すなわち,彼らの宗教的体験にはどのような特有性があるのか,また個別的な宗教性は彼らにとってどのような存在的意味を持っているのか,そして宗教的体験を経由することは彼らの治癒後の実存にどんな意味を投げかけるのかということなどが考察の対象になる。
宗教の領域はきわめて広汎であり,宗教の本質は深淵である。したがってここで取り扱う宗教性とは,病者が神であると信じる存在と関わりを持つ時,必然的に生じる感情・行為・経験などを中心にして,そこから導き出された生存のあり方をさしているのであって,一般的な意味での宗教とは異なる個別的な宗教性にすぎない。本論では,その個別的な宗教性を精神病理学的に考察することによって,非定型精神病者の内的世界の本質分析を試みようと考えている。
すなわち,彼らの宗教的体験にはどのような特有性があるのか,また個別的な宗教性は彼らにとってどのような存在的意味を持っているのか,そして宗教的体験を経由することは彼らの治癒後の実存にどんな意味を投げかけるのかということなどが考察の対象になる。
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