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誌上シンポジウム 日本の精神医療についての4つの意見
ヤマモト論文を読んで
著者: 元吉功1
所属機関: 1明治学院大学社会学部
ページ範囲:P.590 - P.593
文献購入ページに移動 日本の精神医療に強い関心をもつ著者の論文を,日本に対する暖かい忠告として興味深く読んだ。以下率直な感想を述べさせていただく。
著者が問題にしている第1点は,1957年から1970年までの間の精神病床の急激な増加であり,これについて「問題は入院治療があまりにも容易に行い得るようになったという点にあると考えられる」と述べているが,これには2つの意味が含まれているように思われる。1つは,日本の法律(精神衛生法)が,措置入院は別として,保護義務者の同意による入院(非自由入院)が,保護義務者の同意以外にチェックするものがなく,その要否は入院すべき病院管理者の自由な裁量にゆだねられているという入院手続きのアメリカに比べて安易過ぎることを意味するものであるか,または入院中心主義を批判したものであるか,いずれかであろうが,前後の文脈からおそらくは後者であろう。入院中心主義の医療姿勢については,既に十数年来日本でも批判され反省されているが,これについてはまた後で触れる。
著者が問題にしている第1点は,1957年から1970年までの間の精神病床の急激な増加であり,これについて「問題は入院治療があまりにも容易に行い得るようになったという点にあると考えられる」と述べているが,これには2つの意味が含まれているように思われる。1つは,日本の法律(精神衛生法)が,措置入院は別として,保護義務者の同意による入院(非自由入院)が,保護義務者の同意以外にチェックするものがなく,その要否は入院すべき病院管理者の自由な裁量にゆだねられているという入院手続きのアメリカに比べて安易過ぎることを意味するものであるか,または入院中心主義を批判したものであるか,いずれかであろうが,前後の文脈からおそらくは後者であろう。入院中心主義の医療姿勢については,既に十数年来日本でも批判され反省されているが,これについてはまた後で触れる。
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