文献詳細
文献概要
シンポジウム 向精神薬療法の現状と問題点—Dr. Frank J. Ayd, Jr. を迎えて
向精神薬の副作用—わが国の二重盲検比較試験の資料より
著者: 融道男1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.659 - P.664
文献購入ページに移動I.はじめに
向精神薬の投与によって生ずる副作用には,可逆的ではあるが頻度の高いものと,稀にしか生じないがしばしば重篤な結果をもたらすものとがある。ここでは前者の,通常にみられる副作用の種類と頻度について調べた結果について報告したい。薬物の効果を調べるために最も信頼ある方法と考えられている二重盲検比較試験法は,副作用を調査するためにもその有効性を失わない。
一薬剤について複数の資料を用いることの多い,歴史の古い向精神薬を選ぶ結果となった。調べた結果,副作用発現率の幅が大きいこと,少数例であること,副作用のリスト・アップの方法が研究毎で異なることを考え,データは統計的に処理しなかった。したがって以下に述べる結果は,かなり予備的なものであることを断っておきたい。またわが国の資料をアメリカのそれと比較することを試みたが,これも限られた条件下における一つの試みでしかない。
向精神薬の投与によって生ずる副作用には,可逆的ではあるが頻度の高いものと,稀にしか生じないがしばしば重篤な結果をもたらすものとがある。ここでは前者の,通常にみられる副作用の種類と頻度について調べた結果について報告したい。薬物の効果を調べるために最も信頼ある方法と考えられている二重盲検比較試験法は,副作用を調査するためにもその有効性を失わない。
一薬剤について複数の資料を用いることの多い,歴史の古い向精神薬を選ぶ結果となった。調べた結果,副作用発現率の幅が大きいこと,少数例であること,副作用のリスト・アップの方法が研究毎で異なることを考え,データは統計的に処理しなかった。したがって以下に述べる結果は,かなり予備的なものであることを断っておきたい。またわが国の資料をアメリカのそれと比較することを試みたが,これも限られた条件下における一つの試みでしかない。
掲載誌情報