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研究と報告
Binswanger病の臨床と病理—白質病変と脳動脈硬化性痴呆の関連
著者: 上野武治1 高畑直彦1 石嶋紘2 加藤隆2 森田昭之助2
所属機関: 1北海道大学精神医学教室 2小樽市立静和病院
ページ範囲:P.709 - P.715
文献購入ページに移動Encephalitis subcorticalis chronica progressiva(いわゆる“Binswanger病”,subcortical arteriosclerotic encephalopathy,以下ESCPと略す)は臨床的には人格障害,痴呆などの精神症状を前景とし,病理組織学的には病変の主座が大脳白質に存在する脳動脈硬化症の特殊型として従来知られている。しかしESCPのこのような位置づけにはこれまで種々の議論があり,さらに検討すべき点も少なくない。
われわれは初老期に痴呆や妄想など精神症状で発病したESCPと思われる症例を経験したが,この症例をとおしてESCPの脳動脈硬化症の中での位置づけ,さらにはESCPに明らかな白質病変と脳動脈硬化性痴呆との関連についてなど,これまでの文献を参考にして検討する機会を得たので報告する。
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