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研究と報告
伝導失語症の1剖検例と文献的考察
著者: 有輪六朗1 斎藤脩1 山県博2
所属機関: 1順天堂大学医学部病理学教室 2埼玉医科大学精神科教室
ページ範囲:P.65 - P.69
文献購入ページに移動今日,失語症の各病型のなかで,Wernickeが理論的に記述した伝導失語症については,臨床的にも,また病理解剖学的にも問題点が残されている。著者の1人,山県が,1960年,本症例の臨床像を分析し,とくに,その模倣言語障害の発生には,末梢的性格ともいえる音韻聴取能力の障害が大きな役割を演じているのではないかと推察した26)。今回われわれは本症例を剖検する機会を得たので,本論文では,おもに病理所見について報告し,前回の臨床報告と合わせて考察したい。
われわれが本症例を伝導失語と診断した理由について,少し説明を加えたい。
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