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文献詳細

雑誌文献

精神医学17巻1号

1975年01月発行

文献概要

研究と報告

伝導失語症の1剖検例と文献的考察

著者: 有輪六朗1 斎藤脩1 山県博2

所属機関: 1順天堂大学医学部病理学教室 2埼玉医科大学精神科教室

ページ範囲:P.65 - P.69

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I.はじめに
 今日,失語症の各病型のなかで,Wernickeが理論的に記述した伝導失語症については,臨床的にも,また病理解剖学的にも問題点が残されている。著者の1人,山県が,1960年,本症例の臨床像を分析し,とくに,その模倣言語障害の発生には,末梢的性格ともいえる音韻聴取能力の障害が大きな役割を演じているのではないかと推察した26)。今回われわれは本症例を剖検する機会を得たので,本論文では,おもに病理所見について報告し,前回の臨床報告と合わせて考察したい。
 われわれが本症例を伝導失語と診断した理由について,少し説明を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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