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文献詳細

雑誌文献

精神医学17巻1号

1975年01月発行

短報

Haloperidolが著効を示したヘミバリスムの1例

著者: 中島良彦1 佐々木高伸1 池田久男1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.74 - P.75

文献概要

I.はじめに
 バリスムは,比較的急激に始まる四肢の投げつけるような粗大な動きを示す不随意運動である。通常高齢者に起こり,その不随意運動が新鮮例では1日中,深睡眠を除いてほとんど休みなく起こり,そのため全身衰弱に陥り,時には死の転帰をとることがあるため早期にこの不随意運動を抑制することが要求される。
 これまでバリスムの治療にbarbiturate,bromide,chloral hydrateが使われ,睡眠に導入する以外には異常運動を止めることができなかったが,ある例では,chlorpromazineが有効なことが見出された1)。しかしこれもまだ十分とはいい難い面がある。
 Haloperidolがハンチントン舞踏病,小舞踏病,Gilles de la Tourette病,チックなどの運動過多—筋緊張異常症候群に対してきわめて有効であるとの報告がなされているところから2〜6),同じ症候群に属するところのバリスムに対しても有効であろうと考えるのは当然である。しかしながら筆者の知るかぎりでは,haloperidolのバリスムに対する効果についての文献はみられない。われわれは,バリスムの1例にhaloperidolを試用し,非常に有効にこれを抑制せしめたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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