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文献詳細

雑誌文献

精神医学17巻10号

1975年10月発行

文献概要

展望

少年非行の精神医学

著者: 樋口幸吉1

所属機関: 1矯正研修所

ページ範囲:P.1024 - P.1037

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Ⅰ.非行の概念
 非行は英語のdelinquencyに当り,その概念規定やこれに含まれる内容は用いる人によってかなりまちまちで,Banay, R. 6)も指摘しているように,国により,アメリカ合衆国では州によって異なっており,また,時代によっても移り変わりがみられる。いずれにしても,その行動が社会に受け入れられない,すなわちその社会の持っている行動規範から逸脱しているという点では共通している。
 実際的な制度の上でその内容を規定するのに,法的な立場と社会福祉的な立場の2つの観点があり,今日,多くの国々では法的な観点から「刑罰法令に触れる行為」を非行の第1にあげており,わが国においても,非行の中核をなすものはこの「刑罰法令に触れる行為」すなわち犯罪行為である。この犯罪行為の内容はおとなも子どもも変わらないが,少年については,おとなには適用されない独自の行為規範があって,それを犯した場合にも非行とみなされる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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