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研究と報告
薬物乱用者多発の1家族例について
著者: 竹内知夫1
所属機関: 1横浜市立大学医学部神経科学教室
ページ範囲:P.1055 - P.1062
文献購入ページに移動I.はじめに
薬物依序が発現する背景は非常に複雑で,従来から,個人の性格,薬物そのものの特性,環境因子,心理学的要因などが問題にされて,それぞれについて考察されてきた1〜17)。従来論じられてきたものは,一般的な社会精神医学的見地から取り組んだものが多く,とくに家族に焦点をあてたものは少ない。われわれは,5人兄弟中4人に何らかの形の薬物依存または乱用を認めた1家族例を経験したので,「家族」に焦点をあてて,各症例の発病要因を分析し検討するとともに,家族全体としての病理性に若干の考察を加えたい。
薬物依序が発現する背景は非常に複雑で,従来から,個人の性格,薬物そのものの特性,環境因子,心理学的要因などが問題にされて,それぞれについて考察されてきた1〜17)。従来論じられてきたものは,一般的な社会精神医学的見地から取り組んだものが多く,とくに家族に焦点をあてたものは少ない。われわれは,5人兄弟中4人に何らかの形の薬物依存または乱用を認めた1家族例を経験したので,「家族」に焦点をあてて,各症例の発病要因を分析し検討するとともに,家族全体としての病理性に若干の考察を加えたい。
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