文献詳細
研究と報告
精神神経疾患者の眼科学的異常所見と眼に関する自覚症状
著者: 小椋力1 久田研二1 赤松哲夫1 中村一貫1 大熊輝雄1 土江春隆2 久葉周作2 瀬戸川朝一3 玉井嗣彦3 松浦啓之3 中島敏夫4
所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2安来第一病院 3鳥取大学医学部眼科学教室 4国立松江病院内科
ページ範囲:P.1093 - P.1101
文献概要
精神神経疾患者は,各種の身体疾患を合併することのほか,向精神薬の副作用としての身体症状を有することも少なくない。そしてさらに,それらの身体症状に随伴する疼痛,不快感などの自覚症状の出現が十分に予想されるのに,それが自覚されなかったり,訴えられなかったりするため,身体的合併症,副作用の早期発見,早期治療,経過の観察などのさいに困難をともなうことをしばしば経験している。
著者らは,向精神薬療法中に出現する各種の副作用についての体系的な研究を行っており(大熊ら,19685);19756);小椋ら,19753);19754)),そのうち最近行った精神神経疾患者の眼科学的検査において,被験者の87.6%の高率に異常所見が認められた(大熊ら6),1975;小椋ら3),1975)。
掲載誌情報