icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学17巻13号

1975年12月発行

文献概要

臨時増刊号特集 精神医学における日本的特性 B.治療状況の日本的特性

精神病院における患者役割意識の日米比較研究

著者: 山本和郎1

所属機関: 1国立精神衛生研究所地域精神衛生研究班(臨床心理学)

ページ範囲:P.1394 - P.1404

文献購入ページに移動
 この論文では日本のある精神病院の中の患者生活に存在する役割問題と役割概念に関する6つの有意味な因子をとりだした。更に,日本と米国の患者の間にある対人関係と要求表出の様式の文化的差異について考察した。日本では,病院スタッフ・患者関係は恩情的で家族に似た関係であり,日本の患者はたえず自分の受身的な依存要求を満足させるために病院スタッフに目を向けている。回復する手だてとしてそのスタッフからの恩恵を信ずるままでいることである。米国では,病院スタッフ・患者関係は,日本よりも感情的でなく,より機能的である。米国の患者は病院スタッフとの関係を契約的なものとしてみ,依存の直接的表明は少ない傾向がみられる。これらの文化的差異は日本と米国の一般的な社会文化による依存要求に対するコントロールと受け入れ方の差異として一部分理解されることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら