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臨時増刊号特集 精神医学における日本的特性 座談会
Transcultural Psychiatryについて
著者: 加藤正明1 逸見武光2 木村敏3 河合隼雄4 荻野恒一5 中根千枝6
所属機関: 1東京医科大学精神神経科 2東京大学医学部精神衛生学 3名古屋市立大学精神医学 4京都大学教育学部心理学 5東京都精神医学総合研究所 6東京大学東洋文化研究所
ページ範囲:P.1420 - P.1432
文献購入ページに移動司会(荻野) 今日は,transcultural psychiatryという比較的新しい学問をめぐって,これに造詣のふかい加藤正明先生,木村敏先生,逸見武光先生,それに隣接領域の側からの御発言や御教示を頂く目的で,ユンク心理学の河合隼雄先生と文化人類学の中根千枝先生においで頂いたわけです。土居健郎先生にもぜひ出席して頂く予定だったのですが,残念なことに御都合がわるくてどうしても出られないことになりました。
ところでtranscultural psychiatryという術語は,ここ10年の間に,多くの精神医学者によって称えられるようになり,専門誌も出来ているわけですが,この学問が例えば比較精神医学,文化精神医学,民族精神医学,横断精神医学(cross-cultural psychiatry)またひろく社会精神医学,地域精神医学などとどう違うのか,しかもtranscultural psychiatryは,これらのどの精神医学よりも新しい用語なのですが,わざわざこの用語を創作する必要性が,どこにあったのか,この辺から話を始めたいと思います。
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