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研究と報告
農村地域における最近の神経症について—長野県佐久地方から,第1報
著者: 神岡芳雄1 堀口佳男1 高橋滋2
所属機関: 1佐久総合病院精神神経科 2群馬大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.163 - P.171
文献購入ページに移動農村における総合病院精神神経科の機能は,都市におけるそれ1〜3)と共通する実態をもちながら,しかも一方では,地域との結びつき4〜8)も,重視されねばならないところに特殊性があろう。
戦後のわが国農村の大きな社会変貌9)は,農地改革,つづく町村合併から,経済成長期に入っての住居の都市化,農家の兼業化,山村の過疎化,農薬公害10)などであり,長野県佐久地方もあるていどこの例にもれない。
精神障害とくに神経症は,社会文化的背景と密接な関連性をもって,発現することは周知のことである。われわれは,日常の診療を積み重ねながら,昨今,農村においても,入院患者の家庭復帰の困難性が増し,また,外来診療における神経症の増加傾向を体験している。
この報告は,最近10年間に診療した神経症患者について,臨床統計的概括を試みたものであり,今回は,主として概括的成績と,症状類型についての考察を行った。
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