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研究と報告
臨床的評価による知的老化の研究
著者: 柄沢昭秀1 川島寛司1 長谷川和夫2
所属機関: 1東京都老人総合研究所精神医学研究室 2聖マリアンナ医大神経精神科
ページ範囲:P.373 - P.383
文献購入ページに移動加齢に伴う知能の変化については,かなり古くから関心が持たれ,これまでにいくつかの貴重な研究が行われている。ただ高齢になればなるほど,時間のかかる複雑な知能テストの実施が困難であることや,老人の知能点について標準化がまだきわめて不十分であることから,70歳,80歳あるいはそれ以上の高齢者の知能に関して,あまり具体的には把握されていない。われわれは,昭和47年度の東京都老人総合研究所のプロジェクト研究——日本におけるCentenarianの研究——に参加して,100歳以上の超高齢者約120名に面接調査を行ったが,このさいに一定の基準で彼らの知能の臨床的評価を行うことができた。そこでこれらの結果を,老人ホーム在住の老人および痴呆老人を対象として同一の基準で行われた知能評価の結果と比較検討したところ,知能の老化に関する二,三の興味ある知見が得られたので,ここに報告する。
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