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研究と報告
てんかん性の泣き発作,笑い発作について
著者: 北川達也1 下田又季雄1 谷尾匡史1 西川清方1 石崎文子1
所属機関: 1鳥取大学医学部脳神経内科
ページ範囲:P.605 - P.611
文献購入ページに移動病的な泣き,笑いが脳血管障害,進行麻痺,多発性硬化症など広範な脳器質障害において出現し,また分裂病の1症状として,あるいはヒステリーなどの心因性の反応としてみられることは周知のことである。てんかん性の病態生理をもつ情動発作としての泣き発作,笑い発作については,乳幼児の小発作,点頭てんかんに笑い発作を伴いやすいという報告2,9),早発思春期症を合併した間脳障害に由来したと思われる症例の報告などがみられるが7),一般には側頭葉ないし精神運動発作てんかんの一症状とみなされている4,9,17)。
筆者らは過去10年間に経験した正常の感情体験を伴わない病的な泣き,笑いのうち,てんかん性と考えられた12症例について臨床的,脳波学的検討を行った。
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