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文献詳細

雑誌文献

精神医学17巻8号

1975年08月発行

文献概要

研究と報告

アルコール中毒の治療における家族の態度について

著者: 有川勝嘉1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.835 - P.843

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I.はじめに
 アルコール中毒,なかんずくその嗜癖に対する治療法としてのCyanamideによるDouble Medication Technique7)(以下DMT)とその手技8,9),そしてその治療効果が量的にも1)質的にも2)すぐれていることはこれまで明らかにしてきた。われわれのこの治療においては,その家族に対する接近が治療の基礎となることはいうまでもない。ところが酒害者に対する治療経験の中で,われわれが外来で行っているDMTにおける治療と,一般精神病院に入院している患者における治療の場合では,家族の治療に対する姿勢あるいは認識に大きな差異があり,精神病院に入院している患者の場合は治療効果をあげることが非常に困難であることを常々体験している。それは入院患者の場合,治療に協力する家族もいない単身者が多いことが原因の一つであるが,同時に入院患者に家族がいる場合でも家人の治療に対する態度がDMTの場合とは非常に異なっていて,それが治療と予後に大きく関係していると印象づけられている。
 今回,外来で行っているDMTの群と一般精神病院に入院している群の患者およびその家族の比較をいくつかの角度から検討してみた。その差異を知ることは,これら酒害者の治療における家族への接近について種々の有益な示唆を与えてくれるものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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