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研究と報告
アルコール嗜癖者にみられたペラグラ精神病について
著者: 鈴木愷宏1 高畑直彦1 里見龍太1 鈴木隆2
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室 2国立札幌病院精神神経科
ページ範囲:P.845 - P.849
文献購入ページに移動最近われわれは,2名のアルコール嗜癖者の神経病理学的検索を行う機会をもった。1例は,皮膚症状,消化器症状,精神症状のいわゆるペラグラの三徴を備えていた。他の1例は,皮膚症状を欠き,神経衰弱様ないし抑うつ症状が約6カ月間つづいた後,急激に意識障害が現れ死亡した。この症例は剖検の結果,ペラグラ精神病が疑われた。
純粋な低栄養状態が稀となった今日,アルコール嗜癖者にペラグラ,およびペラグラ精神病と考えられる疾患がみられたのは興味深いことと考え,これら2例の臨床像と神経病理所見について報告する。
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