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研究と報告
大学病院および精神病院を退院した精神分裂病患者の治療状況について
著者: 岩井濶之1 横山茂生1 鍋山敏郎2
所属機関: 1川崎医科大学精神科学教室 2岡山大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.25 - P.33
文献購入ページに移動向精神薬物療法の登場とその発展により,精神分裂病の治療形態は,従来の入院第一主義から外来治療へと,その比重が変わりつつあることは周知のことである1〜4)。もちろん,このような治療形態の変化にもかかわらず,精神分裂病の予後,特に寛解率は相変わらず30%前後5〜7)といわれている。しかし薬物による症状の軽減に比例して,不十分ながらも社会生活への適応性が増加し,その意味で,社会的寛解ということが臨床場面では大きな治療目標となっていることも事実である。さらに最近多くの人々8〜11)が指摘するように,服薬中断による再発という新しい問題を治療状況の中に惹起することになった。
慢性分裂病患者が大なり小なり何らかの精神機能の欠陥を残して長期間の通院と服薬を続けるには,主治医および家族をはじめ,患者をとりまく周囲の多くの人達の支持が必要であることは当然と考えられる。
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