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研究と報告
Trichotillomaniaの精神医学的考察—自験例7例を中心に
著者: 小口徹1 佐藤喜一郎1 斎藤隆三2
所属機関: 1北里大学医学部精神神経科 2北里大学医学部皮膚科
ページ範囲:P.43 - P.50
文献購入ページに移動Trichotillomania(抜毛症,抜毛癖)とは,頭髪,眉毛,恥毛などを自らの手で,強迫的に引き抜くことにより,その部位に不完全脱毛巣を生ずるもので,1889年Hallopeau11)がAlopécie par grattage-trichomanie ou trichotillomanie-の名で報告したのが最初である。強度の瘙痒感のため,広範囲の頭髪をかきむしる性癖をもった1症例で,明らかな精神障害が認められた。Mannino and Delgado15)によれば,欧米ではすでに,1950年の終りまでに32篇の報告があり,以降飛躍的に報告数は増しているという。
本邦では1930年土肥29)が第1例を報告し,1964年に茶山ら5)が自験例を含めて52例を集積している。1970年には升水ら16)が新たに自験例13例をまとめて報告している。その後も学会報告抄録の形で少数例が追加され現在に至っている19,20)。
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