icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻11号

1976年11月発行

研究と報告

Pick病における失語症について—自験3症例と本邦報告例49症例の検討

著者: 小阪憲司1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.1181 - P.1189

文献概要

I.はじめに
 Pick病は,Alzheimer病とともに,初老期痴呆症の代表的疾患であり,ともに特有な臨床症状と神経病理所見を示す疾患として知られている。一般に,Alzheimer病では失語・失行・失認などの大脳巣症状が出現しやすいが,Pick病では出現しにくいといわれ,このことがむしろ両者の鑑別点の一つにさえ数えられている。しかし,実際にはPick病でも側頭葉や前頭葉の巣症状を示すのが普通であり,特有な人格障害・言語機能の障害・痴呆がその三大症状といえよう。
 ここでは,Pick病の言語機能の障害,特に失語症に焦点をあて,自験3症例(2剖検例と1臨床例)を報告するとともに,本邦における剖検報告例49例について検討し,更に失語症と病変部位との関連についても検討を加え,若干の見解を示すことにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら