icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻11号

1976年11月発行

文献概要

研究と報告

アルコール離脱症状としての振戦せん妄を発症した慢性アルコール中毒の1症例

著者: 小片寛1 小宮山徳太郎1 庄田秀志1 中沢信之1

所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1191 - P.1197

文献購入ページに移動
Ⅰ.序論
 われわれはアルコール禁断症状の発現を長期のアルコール乱用の結果として経験的に理解してきた。しかも,禁断症状としては身体症状および神経学的症状に重点がおかれ,精神症状は禁断症状と推測されながらもなおacute alcoholic psychosesとして把握される傾向があった。更に,アルコール中毒の臨床診断基準の1つとして飲酒による家庭・社会生活における対人関係の破綻と逸脱行為が安易に使われてきた。
 第1の問題については,近年わが国でもいわゆるalcoholic psychosesのいくつかがアルコール離脱による一過性の禁断現象であることが紹介されてきた10,15,19)。しかしなお,その認識が充分であるとはいえない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?