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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻12号

1976年12月発行

特集 近代日本の宗教と精神医学

下五島における比較文化精神医学的調査—島内のカトリック信徒を中心に

著者: 太田保之1 長岡興樹2 松永文保3 川副正昭1 増井憲治1 森山研介4 荻野恒一5

所属機関: 1長崎大学医学部精神神経科教室 2長崎市立市民病院精神科 3長崎県立東浦病院 4杏林大学精神神経科教室 5東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.1271 - P.1278

文献概要

I.はじめに
 長い鎖国と異教弾圧下にあって,ザビエル布教以来のキリスト教の信仰を守りとおしてきた福江島キリシタンの歴史は,そのまま日本キリスト教の歴史の圧縮といえる。島内各地に今なお存在するキリシタン集落は,その宗教形態の特異性において,またその形成過程の独自性において,宗教学的ならびに文化人類学的観点から注目されてきた。われわれも,かつて2回にわたり下五島の比較文化精神医学的調査を行ない,精神障害のあり方を巨視的に明らかにしてきた1,2)。そこでわれわれは,そのデータをふまえた上で,下五島の文化と歴史,とりわけ下五島キリシタンの歴史の特性をたどってゆき,病者がいかにその歴史と信仰の中に生き,あるいは挫折していったかを文化精神医学的な視点からみてゆきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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