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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻12号

1976年12月発行

文献概要

特集 近代日本の宗教と精神医学

松沢病院における宗教妄想の時代的変遷—妄想主題における「宗教的なもの」の意味

著者: 藤森英之1

所属機関: 1東京都立松沢病院

ページ範囲:P.1279 - P.1291

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Ⅰ.緒言
 ヨーロッパでは精神医学の近代の歴史において,キリスト教が精神医学と多くの接点をわかちあっているが7),従来のわが国の宗教病理学では,宮本ら18)も指摘するように,土俗的・原始的信仰や迷信による土俗的な「もの憑き現象」を対象とした業績が多い(ここではそれらの系譜にはふれない)。
 小田25)は文化史を主軸にすえて「狂気観」の変遷を追求し,9世紀のわが国のコンメンタールである「令集解」のなかに,「自ら聖と称し高賢と称する」もの,つまり宗教妄想による現実の否認を主にして「狂」の定義がなされていると論じている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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