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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻2号

1976年02月発行

展望

セネストパチーをめぐって

著者: 吉松和哉1

所属機関: 1海上寮療養所

ページ範囲:P.112 - P.129

文献概要

I.はじめに
 セネストパチーという我々にはあまりなじまない言葉が,わが国の精神医学で割合普及し,また近年いくつかの発表が続いたのは,今から約15年前の保崎33)による展望に大きな功績があると思われる。セネストパチーはよく知られるように異常体感を単一症候とする疾患に名づけられ,また日本精神神経学会の統一精神医学用語によって「体感症」と訳される。保崎の紹介以来この15年間にいくつかの貴重な論文が発表されたが,しかしその概念の難解さもあってそこにいささかの混乱がないとはいえない。そこでこの機会にあらためて今日におけるセネストパチー研究上の展望をし,その概念の整理をすることにも意味があろうと思う。以下簡単に歴史的回顧と文献的整理をし,そして最近の研究を紹介しつつ,この概念に対する私見を述べて,その展望を試みたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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