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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

Clonazepamによる難治性てんかんの治療成績

著者: 熊本亮1 井上令一1 直居卓1 渡辺敏也1 佐藤泰三1 平沼博1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.175 - P.186

I.はじめに
 発作の抑制を図ることは,てんかんの治療に際してまず第一になされなければならないことである。周知のごとくphenobarbitalやdiphenylhydantoinが,すぐれた抗けいれん剤として登場して以来30数年を越え,この間数多くの抗てんかん剤が次々と開発され,てんかん患者に多くの光明をもたらしている。しかし,てんかん患者の15%前後は充分な発作の抑制が得られずに難治性てんかんのレッテルをはられており,さらにすぐれた抗てんかん剤の出現が待ち望まれているのが現状であろう。我々は,今回日本ロシュ株式会社より新しい抗てんかん剤clonazepam(Hoffmann-La Roche社で開発されたbenzodiazepineに属する化合物5-(o-chlorophenyl)-1,3-dihydro-7-nitro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one)の提供をうけて治療を試みたが,価値ある薬剤の1つであるとの知見が得られたので,ここにその詳細を報告することとした。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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