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神経症および心因反応の概念—疾患分類学的考察
著者: 諏訪望1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.232 - P.243
文献購入ページに移動I.はじめに
神経症と心因反応はしばしば混同して用いられる概念であるが,この両者の関係を整理することは必ずしも容易ではない。心因反応という概念が比較的新しいものであるのにたいして,神経症という概念は比較的古く,しかも現在に至るまでの変遷の経過はきわめて複雑である。
神経症や心因反応の概念を問題にする場合には,まず"精神疾患とはなにか"という基本的な設問から始めなければならないかもしれない。しかし精神疾患と呼ばれている実態が現存している限り,その事実から出発して,それぞれの実態を概念的に整理するという方法も成立するはずである。
神経症と心因反応はしばしば混同して用いられる概念であるが,この両者の関係を整理することは必ずしも容易ではない。心因反応という概念が比較的新しいものであるのにたいして,神経症という概念は比較的古く,しかも現在に至るまでの変遷の経過はきわめて複雑である。
神経症や心因反応の概念を問題にする場合には,まず"精神疾患とはなにか"という基本的な設問から始めなければならないかもしれない。しかし精神疾患と呼ばれている実態が現存している限り,その事実から出発して,それぞれの実態を概念的に整理するという方法も成立するはずである。
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